2020年10月15日
フエ、記録的な大雨と洪水
シンチャオ!
1週間ぶりに雨が止みました。
大げさな表現ではなく、本当です。
10月6日午後から降り始めた雨は、
大雨と山岳地方のダムの放流により、
行き場を失った水が洪水被害をもたらしました。
フエ省で818名の犠牲者を出した1999年の洪水被害に匹敵、
さらにはそれをも超える広い範囲での洪水被害と言われています。
自然の力には勝つことはできないとはわかっているものの、
9月の大きな台風被害からまだ時間も立っていない中で、
この1週間、雨が止まず、さらには2つの台風が連続して
フエ上空を通過して、町の姿が文字通り
ガラリと変わってしまいました。
フエ省はもともとベトナム国内でも年間降雨量の1,2を争う、
雨が多い地域で、平野部でも約2800mm、山間部だと約4,000mmに達するところもあります。
所が、この1週間の降雨量は1,600mmから2,600mmを記録したそうです。
フエ市内の約50%が洪水被害にあい、フエ省内では約53,000戸が50cm~180cmの床上浸水となりました。
事務所で働く2人のベトナム人スタッフに聞いてみました。
アインさんの話。
「先週金曜日(10月9日)から、強い雨が降り続いて、
たった一晩で川が氾濫してしまいました。
洪水になりました。町が川になってしまったみたいです。
私の家は、川の近くにありますが、地盤が高いので浸水はしませんでした。
でも、洪水のせいで停電になったり、買い物が出来なくなったため、
通常の生活が出来なくなりました。その間、食べ物はほとんどインスタントラーメンばかりでした。
4日後、水が引きました。電気が戻り、どんどん情報を入手することができました。
今回の豪雨と洪水の被害が思っていたより大きく、
23人が死亡、14人が行方不明になっているそうです。
もっと心が痛くなる情報もありました。
今は、天気が良くなり、全国の人々が協力して、
被害を受けた家族の支援を始めています。
皆が平穏無事に過ごせますように。」
フオンさんの話。
「私は、ベトナム中部にあるフエの出身ですから、
台風にはだいぶ慣れているつもりでした。
でも、今回の台風に関しては、
台風による被害を数多く見聞きしたので、心配せずにはいられませんでした。
その中でも、農家への被害が一番大きいと思います。
一晩で、彼らは全ての財産を失ってしまいますから。
そういう状況で、ボランティア団体や支援団体が、中央政府に対する支援を求めています。
全ての人々の困難が一刻も早く克服されることを祈っています。」
9月~2月頃は、フエではちょうど雨季にあたる季節。
最初の2ヶ月間、11月頃までが大雨被害、洪水被害に
気を付けなければなりません。
まだまだ新しい台風もベトナム中部を通過予定の予報もあり、
予断を許さない状況ではありますが、
自然と共に共存をしながら、前に進んでいきたいと思います。
チャオ!