関野凖一郎記念 まるめろ美術館

2020年03月07日

展示作品のご紹介①

今年は積雪も少なく、当館のある本州最北の地にも、すぐそこまで春の足音が聞こえております。

新型コロナウィルス感染症拡大により、国内の様々なところで影響が出ており、

現在、当館もやむなく臨時休館させていただいております。


今回は、現在展示している「水辺の風景」展の中から、『金沢(雪つり)』を

ご紹介いたします。

2020.03.02 紹介.jpg








(1983年制作)



金沢について、関野氏は、自著『奥の細道版画冊』にこう記しています。

 
 私は金沢美術工芸大学非常勤講師としてエッチングを教えていたので、

四十五歳前後には毎年必ず行かねばならなかった。山妻を連れていったこともある。

(中略)

 私は金沢ではずいぶん歩き廻った。冬ならば屋根に餅のような形で残っている

雪の造形感を面白がって写生したし、夏ならば旧花街から旧武家屋敷の町を歩いた。

 関野神社という小さい社があった。「関」はむずかしい古字であった。

老女が一人熱心に拝殿前の石畳の往復を繰り返しては、ぬかずいていた。

「この神社は何の御利益があるのですか」老女が帰る時、こう尋ねてみた。

「さあー、存じません」と言ってそそくさと帰っていった。  

                       『奥の細道版画冊 金沢』より



再開日が決まりましたら、当館ホームページにてご案内いたしますので、

いましばらくお待ちくださいますようお願いいたします。

事態の早急な終息と皆様のご安全を心よりお祈りいたします。

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