介護×ロボット ICTプロジェクト
2022年10月31日
安眠プロジェクト①
先日終了しました、共同研究プロジェクト「安眠プロジェクト」の検証結果をお知らせします。
当法人参加施設である、特養みちのく荘分の報告となる事をご了承いただければと思います。
検証内容をおさらいしますと、夜間帯のスタッフ業務効率化に向け選定した「A.I.Viewlife(居室見守りシステム)」「ここちあ利楽flow(自動体位変換マット)」「高吸収おむつ」の機器併用効果がどれくらいあるか?そして人材定着のツールとなるか?を複数の参加施設による共同検証により、利用者目線そして職員目線で採取したデータとなります。
今回は第一弾として、みちのく荘職員データの結果をピックアップしたものでお知らせします。
1.介護負担感調査
機器導入前後で夜勤時の精神、身体、不安、不快等のいわゆる介護負担感を調査しました。こちらについて大きく増加したものはなく、特に減少したものは、精神的負担:28.5%減、身体的負担:38.5%減、ねむけ:20.8%減という事で、機器併用での負担軽減効果はかなりあったと考えられます。
2.CFSI(蓄積的疲労兆候調査)
機器導入前後での職員の気力減退、身体不調、不安感等のCFSI(蓄積的疲労兆候調査)計8項目を調査しました。こちらも大きく増加したものはなく、特に減少したものは、気力減退:28.5%減、身体不調:22.2%減、イライラの状態:23.5%減、慢性疲労兆候:25.0%減となり、こちらも軽減効果があったと考えられます。
3.職員観察集計
職員の機器導入前後での巡回業務、排泄介助等の各業務対応時間数(1日平均)を集計しました。こちらも大きく増加したものはありませんでした。排泄介助は14.1%減に留まりましたが、巡回業務:44.0%減、ナースコール対応:29.2%減、体位交換:45.2%減となり、各機器使用での効率化が大きく表れたと考えられます。
4.職員のコーピング評価
職員のストレスへの対処行動(コーピング)を評価する上で、職員が持っているストレスを取りまとめた結果、「十分な休みがない」や「コロナで自由に行動できない」等、昨今の世情も含めた業務とは直接無関係な事が目立ちました。
人材定着しない要因と推測した夜勤主業務(巡回・おむつ交換・体位交換)に対して、それぞれを軽減する機器併用でのアプローチは有効だと思われます。しかし、直接業務を効率化するだけではなく、以外の労働環境へも目を向ける事をしなければ、目的達成には近づかない事もよく理解できた形でした。